私たちは、2014年以来足掛け三年、文部科学省が実施するEDGEプログラムを早稲田大学と大阪大学でお手伝いしてきましたが、早稲田大学の受講者であったスタースフィア株式会社が見事にベンチャーキャピタルから合計1.3億円の資金調達を果たしました。

スタースフィアはEDGEプログラムの間は、企業の従業員の心理的ストレスをクラウド上で簡便にチェックできるサービスの立ち上げを計画して熱心に仮説検証に取り組んでいたのですが、なんとプログラム終盤に差し掛かって厚生労働省から同様のシステムが無料で提供されるという急展開に直面して、根こそぎピボットせざるを得ない状況に追い込まれました。

そんな状況にもめげずプログラムの終了後も仮説検証を続けた結果、製薬メーカーという顧客をみつけて「クラウドサービスの提供範囲を新薬の臨床試験や治験管理をクラウドで提供するサービス」へのピボットを行い、大規模な資金調達にも成功したのです。

プログラム期間中の起業家（バンマーネン夫妻）の悩みを間近で見てきた私たちも辛かったわけですが、後づけながらこうしてピボットを経て突破口をみつけた起業家チームがあるということは、仮説検証志向の方法論の有用性が示されていると考えています。もし最初のアイデアの思い込みで猛進して資金調達し人も巻き込んでしまっていたら…と考えると、バンマーネン夫妻がプログラム期間中に涙と汗と引き換えに得た足で稼いだ高速な仮説検証と仮説の再構築から得た成果は非常に大きかったと思っています。

これからのスタースフィア株式会社の活躍に期待しています！